二人遊び
 「俺、明日お前の家に泊まりに行く!」
洋一郎が突然そう言い出したのは、金曜日の放課後だった。
僕と洋一郎は中学2年生。僕たちは付き合い始めてもうすぐ3ヶ月になる。
僕たちはこの時ジャージ姿で下校していた。今日は最後の授業が体育だったからだ。 洋一郎はあまり背は高くないけど体つきはがっちりしていた。細身な僕はそんな彼が羨ましかった。
この時僕たちは校舎を出てコンビニへ立ち寄ろうとしていた。
7月の午後。外を吹く風は温かだった。
僕は彼にそう言われた時、何か理由を見つけてその申し出を断ろうとした。
でもその理由を考えている間に、自分が墓穴を掘ってしまった事に気がついた。
「お前の母さん、週末父さんの所へ行くんだろう?」
うかつだった。僕は今朝何も考えずに彼にその話をしてしまったのだった。
僕のお父さんは単身赴任で1人離れて暮らしている。そしてお母さんはこの週末お父さんの所へ行く予定になっていた。
そうなると僕は家に1人きり。つまりそれを知った洋一郎が 「泊まりに行く」 と言い出したのは必然的な事だった。

 それにしても、どうしよう。なんとかして洋一郎が家へ泊まりにくるのを止めさせなきゃ。
僕は彼の隣を歩きながらずっとずっとその事ばかり考えていた。でもすぐにうまい考えも思いつかず、そのうち目の前に 目的地のコンビニが見えてきた。
「ジュースおごってやるよ。何がいい?」
洋一郎は上機嫌で僕にそんな事を言った。
彼の優しい目に見つめられるとついドキドキしてしまうし、ジャージの下に隠された厚い胸に抱かれてみたいとも思う。 でも、彼が家へ泊まりにくるのはやっぱりまずい。
そう思っていた時、洋一郎が小声で僕にこう言った。
「明日泊まりに行くから、赤ちゃんごっこしよう」
「え?」
洋一郎は機嫌よさそうに笑って僕の頬を軽くつねった。
彼の優しい目と白い歯が眩しくて、僕はついに 「泊まりに来ないで」 と言い損ねてしまった。

*   *   *

 次の日の午後。彼は元気よく僕の家へやってきた。
この時僕はまだ考えていた。どうしたら彼が泊まらずに帰ってくれるだろうか……と。
でも僕のそんな思いと裏腹に、洋一郎のテンションは高かった。
「お邪魔します!」
彼は大きくそう叫んで僕の部屋へ入り込み、すぐに畳の床にドカッと腰掛けた。そして僕を強引に隣へ座らせ、ぎゅっと抱き締めてくれた。
「今夜はずっと2人きりだよ。嬉しいじゃん」
笑顔の彼がそう言って僕の頬にキスをした。彼の髪はほんのり汗の香りがした。

 「よし、じゃあ始めよう」
彼は突然僕を手放し、一泊にしては大きすぎるボストンバッグの中からゴソゴソと何かを取り出した。
彼の手の中にある物が紙オムツである事を知った時、僕は急に頬が熱くなるのを感じた。
「それ、どうするの?」
僕は太陽に照らされる白い紙オムツを見つめ、恐る恐る彼に尋ねてみた。すると洋一郎は涼しい顔で一言こう言った。
「赤ちゃんごっこするって言ったじゃん」
洋一郎がそう言い終わるか終わらないかのうちに僕は彼にひょいと抱えられ、ベッドの上にあっさりと寝かされてしまった。
仰向けになって呆然としていると、何がなんだか分からないうちに洋一郎が僕のジーパンを脱がせ始めた。
その時まだ日は高くて、部屋の中ももちろん明るかった。僕はそんな中で脱がされる事に抵抗を感じ、洋一郎の手を止めさせた。
「ねぇ、嫌だよ」
「いいじゃん、2人きりなんだからさ」
「だって……」
「いいからおとなしくして」
洋一郎が僕を見下ろしてにっこり微笑んだ。僕はいつも彼の笑顔に弱かった。
でもその時はやっぱり明るすぎた。僕は枕を顔の上に乗せて外の光を遮り、更に強く目を閉じた。
洋一郎は何も言わずに僕のジーパンを脱がせ、パンツを引きずり下ろした。すると腰から足の先までが急に涼しくなった。
「小さくなってる。寒いの?」
そう言って彼が僕のものに触れると、一瞬体に電気が走った。
彼は僕の両足を開かせ、お尻の下に紙オムツを滑り込ませた。その光景を想像すると顔から火が出そうだったけど、心の奥ではたまにはこんなのもいいかな、と思っていた。

 それから数分後。僕の下半身は様変わりしていた。
僕はいつも彼の強引さに勝てないのだ。目を閉じたままそっと腰の当たりを触ると、そこにフワフワした紙オムツの感触がはっきりと存在していた。
「可愛いよ」
洋一郎はベッドに横になって僕をきつく抱き締めてくれた。
紙オムツをはいて彼の温かい胸に抱かれると、なんだか変な気持ちになってきた。
その時、鼻と鼻がぶつかり合うほどの近い距離に彼の顔があった。洋一郎の短い髪はセットが乱れ、優しい目はしっかりと僕だけを見つめてくれていた。
僕は急に興奮して彼の上になった。
その時は彼のシャツのボタンを1つずつ外していく事がすごくもどかしかった。
やっとの思いで明るい光の下に彼の胸をさらすと、僕はすぐに白っぽい乳首にかじりついた。すると洋一郎が小さく声を上げた。
「あ……」
「オッパイほしい」
僕は一言だけそう言って彼の乳首をしゃぶり続けた。すると本当に赤ちゃんに戻ったような気分になれた。
立ち上がった乳首を時々噛むと、洋一郎はそのたびに大きく息を呑んだ。そのうち厚い胸に汗が光り、彼もだんだん興奮してきた。
彼のズボンの中へそっと手を入れると、すぐに硬いものが手に触れた。
「ん……」
洋一郎は大きな声を出すまいとして唇を噛んだ。でも僕は彼の努力を無駄にするように素早い動きを見せた。
「お腹がすいた。ミルクがほしい」
両手で彼のズボンを引きずり下ろすと、洋一郎の興奮したものが明るい日差しの下で輝いた。
僕は彼の両足を開いてその間に頭を突っ込み、ミルクほしさにそれを何度もしゃぶった。
「あ……あぁ……!」
洋一郎はもう声を出すのを止められなかった。
彼は頭を右へ向けたり左へ向けたりしながら自分に襲い掛かる快感をなんとかコントロールしようとしていた。
僕が舌を動かすと、彼は必ず声を上げた。
舌が小刻みに動く時は彼の声も短く、舌を大きくゆっくり動かすと彼の声も長くゆっくりになった。
そのうち口の中に少しずつミルクが溢れ出した。
洋一郎はブルブルと何度も体を震わせていた。部屋の中はすごく温かかったのに、彼はずっとずっと震えていた。
舌を動かしながら冷静に彼の姿を見つめると、首筋を流れ落ちていくひと筋の汗が見えた。
「イク……」
彼の合図で、僕は舌を動かすのを止めた。すると口の中に大量のミルクが溢れ出した。
それを全部吸い尽くすと、僕はすぐにお腹がいっぱいになった。

 僕たちはその後いつの間にか眠ってしまったらしい。
ベッドの上で先に目を覚ましたのは洋一郎の方だった。
僕は彼がモゾモゾ動く気配を感じてぼんやりと目を開けた。するともう外は薄暗くなっていた。それはもちろん部屋の中も同じだった。
「おはよう」
目が覚めた時、僕はすぐ彼に抱き締められた。そして頬におはようのキスをしてもらった。
起きた時すぐ隣に彼がいるとすごく幸せを感じた。
短いおはようのキスが終わると、彼が本格的なキスを僕に仕掛けてきた。お互いの舌を食いちぎるかのような激しいキスは、僕の大好物だった。
僕が洋一郎の舌を吸っている時、彼の手が大きく膨らんだ僕のものを直接掴んだ。すると、彼は突然舌の動きを止めた。
「どうしたの?」
僕は薄暗い部屋の中で彼の目を見つめた。その時洋一郎の優しい目はにっこり微笑んでいた。
「オムツ濡らしちゃったんだね」
次の瞬間、彼が僕の耳元でそう囁いた。
僕は慌てて自分が身に着けている紙オムツの中に手を入れてみた。その時たっぷりおしっこを吸った紙オムツはかなり重くなっていた。
この時僕は恥ずかしくて泣きたくなった。泣きたくなったというより、すでに泣いていた。
「いいんだよ、泣かないで。赤ちゃんがオムツを濡らすのは当然なんだから」
洋一郎の大きな手が頬に流れ落ちる僕の涙を拭き取ってくれた。
その同じ手は、その後すぐに濡れた紙オムツを僕から剥ぎ取ってくれた。するとまた下半身が涼しくなった。
「オムツを濡らしたらちゃんと泣いて教えてね」
洋一郎は優しくそう言ってまっさらな紙オムツを僕のお尻の下へ滑り込ませた。

 その時僕はやっと気がついた。
きっと彼は知っていたんだ。僕にオネショの癖がある事を。
だから家へ泊まりに来た日にこんな遊びをしようと提案したんだ。決して僕に恥をかかせないために。
僕は彼が泊まりにくるのをどうやって回避しようかとそればかり考えていた。でもそんな事をしても恐らくこの癖をずっと隠し通す事はできなかった。
洋一郎は僕の事を全部分かっていて、すべてを受け入れてくれたんだ。
僕はそんな優しい彼をこれからもずっと愛し続けていきたいと思う。
END

トップページ 小説目次